誰もが「なんであの人が・・」と思うような有名人の方が、自死を選んでしまうケースが続いた時期がありました。
心の病気で悩んでいる人も増えてきていることもあり、メンタル面のケアがとても重要な時代になってきていることを感じます。
この記事では、「自死」を選んでしまうことを避けるためにも「いったい人間はどんな性質を持った生き物なのか?」という根本的な部分を掘り下げていきたいと思います。
目次
赤ちゃんの行動から読み取る、人間の最も根源的な欲望とは
赤ちゃんはよく泣きます。
お腹が空いた時、眠い時、おむつを変えて欲しい時、暑い時や寒い時、寂しい時など、何か不快を感じると、泣くという行為を通じて周囲の大人に「この不快をどうにかしてよ!」とアピールします。
大人の対応が遅れば遅れるほど、大抵の場合、赤ちゃんのアピールの声はどんどん大きくなっていきます。
不快な状態を解消してもらうためなら、疲れようが声がかすれようが関係なく、一生懸命泣き声でアピールするわけです。
身近で赤ちゃんを見ていると(娘がいます)、人間の最も根元的な欲望は「不快を避けようとすること」であることがよくわかります。
おそらく人間は、想像している以上に「不快感に耐えられない生き物」なのだと思うのです。
鈍感になってしまうのも、自分を正当化しがちなのも不快を避けるため!?
もしかすると、不快感をそのままにしておくことがあまりにも辛いので、大人になる過程で、できるだけ不快感を感じなくても済むようになる術を無理矢理身につけていくのかもしれません。
例えば、感情を抑圧することで、不快感に対する感受性を鈍くしたり(鈍感になったり)
「みんなも我慢しているんだから仕方ないとか・・」「親のため、子どものためだとか・・」「大人なんだからこれくらいできて当たり前とか・・」「これも修業だ・・とか」
それらしい常識や思い込みで自分を納得させ、無理に正当化してしまったりする。
(無意識にやっていることなので、本人は気付いていないことが多いのですが)
こんな感じで、不快なことから目をそらそうとしたり、「そもそも不快になんて思っていないよ」というフリをしてしまうようなことって、程度の差はあれ「誰にでもある」ことだと思うのですね。
でも、こういうことをずっと続けてしまうことは危険だと思います。
心と身体がどんどん擦り減っていき、ストレスで病気になる可能性も増えてしまうでしょうし、もしかすると最悪の場合、「自死」という選択を考えるようになってしまうかもしれません・・
そんなことにならないようにするためには、不快なことは不快だと素直に認めて、少しでも不快なことを回避するための努力をしたほうが良いと思うのです。
少し努力するだけで不快なストレスは簡単に減らすことができる
嫌な仕事や価値観が全く合わないパートナーなどの「大きな不快」を避けようとすると、転職したり離婚しなくてはならないので、心理的なハードルがだいぶ高くなると思うのですが、比較的「小さな不快」を避けることはそう難しくありません。
例えば
・不快な気持ちになるSNSは見ない(嫌な友達はブロックする)
・不安をあおるようなテレビ番組やネットニュースは見ない。
など。(この記事の最後で、不快感を減らす具体例をさらに詳しく解説しています)
ちょっと勇気を出すだけで、誰にでもできる不快を避けるための行動はいくらでもあるはずです。
ですので、身近にころがっている「避けられるはずの小さな不快の種」を探して、少しずつ減らしてみてはいかがでしょうか。
不快を避けようとするのは本能に近い行動!?
さて、冒頭でもお伝えしたように、僕は赤ちゃんと身近に接するようになって、人間の最も根元的な欲望は「不快を避けようとすること」なのだということに気付きました。
これは赤ちゃんに限った話ではありません。
そもそも人間は、不快を避けようとする(不便を便利にしようとする)ことで文明を発達させてきた存在ですからね。
そう考えると、おそらく嫌なことを避けようとすることは「本能に近い行動」のはずで、それを我慢し続ければ、想像している以上にかなり大きなストレスになることは想像に難くありません。
高学歴のエリートサラリーマンの方や、お金や人気、人が振り返るようなルックスを持っている有名人の方でも「自死」を選択してしまう人がいるくらいですからね・・
自死のニュースを見て「その前に仕事を辞められなかったのだろうか?」とみんな疑問に思ったはずですが、冷静な判断ができなくなるほどストレスフルな状況だったのでしょうし、その「不快な状況から脱出したい」という気持ちは、命を絶ってしまってもいいと思えるほど強烈なものだったのかもしれません・・
まとめ・病気になってしまったり、自死を考えるくらいなら、今すぐ不快なことから逃げ出そう
ということで、人間の最も根源的な欲望は「不快を避けること」ではないかという仮説について掘り下げてみました。
僕らは大人になる過程で、本当は嫌で嫌で仕方がないことがあっても、見てみないフリをしたり、気持ちを抑圧して我慢する術を身に着けていきます。
社会の中でふつうに生きていくためには、たしかにそういった心の制御は必要ですが、何事もやりすぎはよくありません。
少なくとも、不快なことを我慢し過ぎた結果、自死を考えるようになってしまったり、重い病気になってしまうくらいなら、今すぐ不快なことから逃げ出してもいいのではないかと思います。
僕たち大人も。赤ちゃんを見習って、もう少し真剣に不快を避けようとする努力をしていきましょう。
赤ちゃんができるのですから、大人にもできるはずですからね。
不快なストレスを減らすための方法・おすすめリスト
不快なことを減らすための方法として、以下に具体例を挙げておきますので、参考にしていただければと思います。
・「〇〇すべき」「〇〇しなきゃらない」という意識で取り組んでいるあらゆる物事を減らす、またはやめる。(そのためにも、「〇〇すべき」「〇〇しなきゃらない」という気持ちで、嫌々やっている行動がどれだけあるかを観察することが重要)
・気が合わない人との付き合いを減らす。または付き合わない。(それが親や兄弟姉妹であっても)
・行きたくない集まりの誘いは断る(体調が悪いとか用事があると嘘をついて断るのも全然OK)
・不快な気持ちになるSNSは見ない(嫌な友達はブロックする)
・不安をあおるようなテレビ番組やネットニュースは見ない。
・「せっかく買っちゃったから」とか、「せっかく始めちゃったから」という理由で嫌々何かを続けないようにする(それが不快なら、もったいなくてもキッパリやめる努力をする)
・医師との相性があまりにも悪ければ病院を変える。
・満員電車を避ける。(人が少ない時間に乗る)
・飲食店などで通された席だった場合、(冷暖房の前とかトイレの近くだったり)、気分が悪くなりそうなレベルであれば、遠慮せず店員さんに伝えて席を変えてもらう。
・電車で近くに不快な態度を取る人がいたら車両を変える。
・買ってみたけどあまり気に入らなかった商品を遠慮せずに返品する。
・嫌な同僚が近くにいるなら、その人と自分の間に何かしら衝立になるような物を置く。(相手が見えづらくなるだけでも、ストレスがかなり減る)
・食欲がない時は無理に食べない(昼食の時間だから・・とか、朝は何かしらお腹に入れなきゃ・・いった理由だけで無理に食べるのをやめる)
など。
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