「忍耐力」という言葉がありますよね。
「私は忍耐力には自信があります」とか「あの人は忍耐力が全然ない」といった感じで使う言葉です。
辞書を調べると
忍耐力とは「つらいことや苦しみなどをたえしのぶ力」
という感じの意味が書かれています。
要するに「辛いことや嫌なことを我慢する力」のことですね。
昔のドラマや映画の中には、そういうストイックさを美しく描いた作品も多かったようですし、今でもそういう世界観が好きな人もいるかと思いますが、個人的には「忍耐力」ってあまり好きな言葉ではないんですよね・・
ということでこの記事では、僕が考える「忍耐力」のデメリットについて掘り下げてみたいと思います。
忍耐力のデメリット①いつも自分ばかり我慢しているという怒りやストレスが強くなる
ところであなたは、忍耐力って大切だと思いますか?
僕は、「忍耐力=嫌なことを我慢する力」なのだとしたら、そんな力を鍛える必要はないし(これからの時代は特に)、むしろ「有害になることのほうが多い」と感じています。
僕は気功師という職業柄(プロフィール)、さまざまな生きづらさを抱えたクライアントさんたちと日々向き合っていますが、ストレスが多い方ほど「やけに我慢強い」傾向があることを強く感じます。
そして、そういう方に幼少期の頃のお話を伺うと、「ご両親がとても厳しかった・・」というケースが多いことにも気づきました。
時代によって親の感覚も変化してきていますが、昔の親は今の親よりも、一般論として子どもに「いろいろなことを我慢させる傾向があった」ようです。
これは良い悪いの話ではなく、そういう時代だったということです。(姉妹、兄弟も多かったですしね。)
親の本当の願いは、もしかすると「簡単に物事を投げ出さずに粘り強く続ける力を養ってほしかった」のかもしれませんが、なぜかそれが「嫌なことでも我慢して続けなくてはいけない」というネガティブな思い込みに変換されて伝わってしまっていることが多いような気がします。
実際、世の中を見渡してみると「〇〇しなければならない」「〇〇すべき」といった固定観念に縛られてしまっている人って多いですからね・・
そういう人の中には、自由な発想で生きている人たちのことを「ワガママな人」とか「空気を読まない人」という感じで捉えてしまう人も少なくないようなのですが、そう思ってしまう心理の裏には、おそらく「自分は嫌なことでも我慢して頑張っているのに!」という感覚が隠れているように思えてなりません。
子どもの頃からずっと、我慢することを強いられてきているのだとしたら、自由気ままに生きている人に腹が立つ気持ちもわかります・・
「なんで私ばっかり!」と思いますよね・・
つまり、忍耐力(辛いことや嫌なことを我慢する力)を育て過ぎると、その一方で「怒りやストレス」を感じやすくなる可能性があるわけですね。
忍耐力のデメリット②我慢しすぎて心や身体の病気になりやすい!?
先ほど、気功師という職業柄(プロフィール)、さまざまなクライアントさんと向き合う中で、ストレスが多い方ほど「やけに我慢強い」傾向があること書きました。
それは言い換えると、辛いことや嫌なことを我慢しすぎる方は、心や身体の病気になりやすい傾向があるということでもあります・・
普段から我慢が多いということは、ストレスや怒りが大きくなるということですからね・・
忍耐力のデメリット③病気に気付きづらい・病気が重くなりやすい!?
忍耐力が強すぎる方は、良くも悪くもいろいろなことを我慢することが得意なので、痛みや苦痛、ストレスにも強い傾向がある気がします。
どんどん人が辞めていくようなブラック企業なんかで働いていても、そういう人は結構頑張れちゃったりするんですね・・
しかし、痛みや苦痛に強いということは、逆に言えば、身体からのSOSに気付きづらいということでもあります。
ですので、無理を続けた結果、症状が重くなってしまったりするわけです。
まとめ
昔は仕事を辞めずにただ続けているだけで、年功序列で給料が上がっていった嘘のような時代がありました。
そういう時代においては、嫌な仕事を我慢する「忍耐力戦略」が有効だったことは理解できますし、そういう感覚を持った親に育てられた子どもも、同じような感覚を持ちやすいのもわかります。
しかし、AIに多くの仕事が代替されると言われているこれからの時代において、そのような保守的な生き方にどれだけメリットがあるのかといえば・・ちょっと、いやだいぶ疑問です。
いつも何かを我慢しながら、「〇〇しなければならない」「〇〇すべき」といった固定観念に縛られてしまっている人からは、斬新なアイデアやイノベーションはなかなか起きづらいでしょうしね・・
おそらくこれからの時代に必要なのは、嫌なことを我慢するという「ネガティブな意味での忍耐力」ではなく、日々、勉強し続けたり、何度も粘り強くチャレンジし続けるような「ポジティブな意味の忍耐力」のほうなのではないでしょうか。
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