こんにちは、キクチです。
誰にでも衝動的な怒りを感じることはありますが、怒りの感情を持ち続けることはとても疲れますよね・・
この記事では、一時的に「カッと」生まれた怒りの感情をできるだけ早く抑え、コントロールする方法や考え方について解説していきます。
今回お伝えする内容は、誰かから聞いた話とか、ネットで拾ってきた情報ではなく、普段から僕が実践していることです。
僕は気功師という職業柄(プロフィール)、難しい病気でお悩みのクライアントさんと日々向き合っているのですが、病気の不安を抱えセンシティブになっているクライアントさんの前では、施術者はできる限り精神的に安定している必要があります。
というのも、こちらの精神状態が不安定だと、その感情が相手にも伝達してしまい余計な不安を与えてしまうからです。
ですので、必然的に「感情をコントロールするスキルを高める必要があった」のです。
ということで、僕の試行錯誤が少しでも参考になるようであれば幸いです。
目次
怒りの感情を「2つ」の言葉を使って抑える方法
【体験談】日常の中にふと湧き上がる怒りの衝動
ある雨の日、家の近くのコンビニに寄った時のことです。
会計が終わってお店を出ると、僕のビニール傘が無くなっていました・・
一瞬「ビニール傘はパッと見た感じでは誰のものか区別がつかないから、誰かが間違って持って行っちゃったんだな・・」と思いました。
でも、よく見てみると、他の傘は全て模様や色のついた傘でした。
「ああ、盗まれちゃったんだ・・」と気づきました。
まだ雨が降っていたので、コンビニで新しい傘を買うべきか、多少悩んだんですが、家まではすぐなので、そのまま帰ることにしました。
傘が無くなってしまったこと、服や靴が雨に濡れたことは残念でしたが、あまり怒りはありませんでした。
いや・・正確には、傘が盗まれたと気づいた時には、驚きとともに、「カッと」燃え上がるような衝動的な怒りはあったのですが、その怒りが継続して燃え続けることはありませんでした。
なぜなら、自覚的に「このまま怒り続けるのはやめようと決めた」からです。
怒りの感情を継続させないための考え方
では、僕はこの時、どんな方法で怒りの衝動を抑えたのでしょうか。
傘が盗まれたと気づき「カッと」怒りの衝動が沸き上がった時、僕はこう考えました。
人は誰しも、自分のことが一番かわいいと思ってしまう生き物ですから、「怒り続けること=自分がかわいそう」という視点を持つと、一瞬で怒りが消えることはないとしても、いったん、立ち止まって、ある程度の冷静さを取り戻すくらいのことはできるものです。
怒り続けると「自分がかわいそう」な理由
傘が盗まれたことに気づいた僕は、コンビニで新しい傘を買うか多少悩みつつ、結局、雨に濡れながら歩いて帰ることにしました。
雨に濡れるだけでも嫌な気分なのに、そこに怒り続けるストレスまで加わってしまうとなると、身体的にも精神的にもダメージが倍増してしまいます・・
そんなことを冷静に考えていたら「ちょっと自分がかわいそうだな・・」と思えてきました。
怒っている時の脳内では、「闘うホルモン」とも呼ばれるノルアドレナリンが分泌されることで神経が興奮し、血圧や心拍数が急激に上がってしまいますからね・・
後述しますが、怒りは人間にとって重要な感情ではあるのですが、あまりにも長く怒りや恨みを持ち続けることは、明らかに健康を害すリスクとなります。
「ビニール傘1本」のために、そんなエネルギーのムダ使いをするのは、明らかに自分がかわいそうですし、どう考えても自分のためになりません。
誰かの言葉や行動によって、一時的に怒りが燃え上がってしまうことは仕方ありませんが、あまりにも長く続きそうだと感じた時は、ためしに一度、「怒り続けると自分がかわいそうだ」という視点を持ってみてはいかがでしょうか。
怒りの感情を一時的に抑制することは決して難しくない、むしろ簡単
とはいえ、頭ではわかっていても「怒りをコントロールのは難しい・・」と感じている方も多いでしょう。
でも本当にそうでしょうか。
例えばこんなシチュエーションを想像してみてください。
自分の子供をしかっていたり、パートナーや親、兄弟姉妹などと喧嘩をしている時に、タイミング悪く上司から「大切な仕事の電話」がかかってきてしまったとします。
その時あなたは、一時的に怒りをコントロールして、普通に電話に出ませんか?
おそらく、大抵の方はある程度ふつうに電話に出ることができるはずです。
こういった常識的な対応ができる人であれば、必ず怒りのコントロールはうまくなります。
だって「既にできている」わけですからね。
電話が終わった後にまた怒りだすかもしれませんが、それはそれとして「怒り続けることは自分のためにならない」と判断した時、一時的であっても、大抵の人は怒りの衝動をコントロールできるものなのです。
怒りの感情をコントロールする具体的な方法
「怒り続けるのは自分のためにならない」という判断が「怒りを抑制する」という順番が重要です。
上司との電話でイライラをぶつけるのは「自分のためにならない」と判断できるからこそ、怒りを抑えることができるわけですからね。
前述した「自分がかわいそう」という判断でも同様の効果を得ることができます。
↑上記のように、自分がかわいそうな状態は、自分のためにならないことですから、「怒り続けるのは自分がかわいそう」という判断ができれば、その瞬間にある程度怒りを抑えることができます。
重要なことなので繰り返します。
「自分のためにならない」でも「自分がかわいそう」でもどちらでも構わないのですが、これらの判断をするだけで、瞬間的に怒りを抑えることができるのです。
瞬間的に怒りを抑えられる脳科学的な理由
「自分がかわいそう」「自分のためにならない」と判断した瞬間、怒りが減る理由は、「何かを判断する」という活動が前頭葉の中にある前頭前野(前頭前皮質)を活性化させるからです。
怒りやイライラを感じるたびに、怒鳴ったり暴力をふるってしまうようでは、まともな社会生活を送ることができないので、人の脳にはあらかじめ怒りをコントロールする機能が備わっています。
それが、理性的な判断や論理的な思考といった役割を担っている前頭前野なのです。
ですから、「判断するというプロセス自体が重要」なのです。
まとめ
ということで怒りをコントロールする方法について解説してきました。
とにかく一番重要なポイントは、衝動的な怒りが出た時に、いったん立ち止まってこの怒りを継続するのは「自分がかわいそうじゃないか?」「自分のためにならないのではないか?」と判断することです。
この「判断する」という行動自体が前頭前野を活性化させ、怒りを抑制してくれます。
最初はなかなかうまくいかないかもしれませんが、怒りが出たらとりあえず
「自分がかわいそうじゃないか?」
「自分のためにならないのではないか?」
という2つの言葉を頭に思い浮かべ、判断する癖をつけていきましょう。
完全に怒りを消すことは難しいかもしれませんが、間違いなく「怒りの強さやレベル」は抑制できるはずですよ。
追伸・とはいえ怒りは「大切な感情」です。ちゃんと怒ったほうがいい時もあります
怒りを抑制する方法について解説してきましたが、決して「怒ることが悪いこと」と言いたいわけではありません。
生きていれば、むしろ怒りをはっきり表明したほうがいい場面は結構あります。
例えば、都合よく利用しようとしてくる人、騙そうとしてくる人、見下してマウンティングしてくるような人や、自分の大切な人やモノを傷つけようとする人に対しては、「自分の心と身体を守る」ためにも、ちゃんと怒りを表明する必要があります。
そういう重要な場面で、「相手と揉めるのは悪いことだから」とか「我慢するのが大人だから」といったもっともらしい理由で怒りを我慢し続けていると、そのうち怒りを抑圧して見てみないふりをするようになります。
自分は怒ったりしない。自分の心の中に怒りなんてない。と自分に嘘をつくようになっていくのです。
そういう状態があまりにも長く続くと、どんどん心が鈍感になって麻痺していくので、意外と辛さを感じづらくなってきたりすることもあるのですが、実際にはどんどんストレスが蓄積していきます。
経験上、そのようにして蓄積したストレスが限界に達すると、まるでダムが決壊するかのように、何かしらの病気や症状という形を取って、心や身体に溢れ出してしまうことが多いように思います。
ですから、怒るべき場面では、自覚的に怒ったほうがいいのではないかと思います。
とはいえ、どういう場面で怒るべきなのか?なかなか判断がつかないという方も少なくないかもしれません。
実はそういう時も、前述した「2つの言葉」が使えます。
このまま怒りをずっと我慢し続けたら「自分がかわいそうじゃないか?」「自分のためにならないのではないか?」とじっくり考えてみるのです。
冷静に考えた上でも怒りを表明したほうがよさそうだと判断したなら、その気持ちを相手に伝えてみてはいかがでしょうか。
とはいえ「そんなことをして大変なことになったらどうするんだ!」
そんな風に感じる人はやめておきましょう。
結局のところ、自分の行動は自分で決めるしかありません。
嫌ならやらなければいいですし、リスクを取ってでも怒りを伝えたいなら伝えればいいのだと思います。
どちらにしても、自分の頭で考え、自分で決めたことであれば、それは尊重されるべきことです。
一番問題なのは、「無自覚に、なんとなく行動すること」ではないでしょうか。
なんとなく生きて人生の後半で後悔しないためにも、怒りの衝動が沸き上がった時はいったん立ち止まって「自分がかわいそうじゃないか?」「自分のためにならないのではないか?」と是非ともじっくり考え、そして次の行動を自覚的に選択してみてください。
思考停止するのではなく、考え続けることで必ず道は開けてくるはずですよ!
あなたにも怒りをコントロールすることができるはずです。応援してます!
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